労働紛争
残業代はどうやって計算するの?
残業代について、話をしたところ、お前は給料分の働きをしたと思っているのか?と逆に罵倒され、払う気は全くないようでした。
私としては全く納得できません。どうにかして、残業代を請求したいと思いますが、どうしたらよいですか?
1 結論
まずは、タイムカードの開示を会社に請求し、時間外労働が何時間あるか確認します。
会社は、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を、時間外労働時間に掛け合わせた金額を会社は支払わなければなりません。
残業代は、内容証明郵便で、会社に支払を請求すべきです。会社が支払に応じなければ、法的手続を取る必要があります。
2 解説
残業代の計算方法
① 残業代=残業時間分の通常の賃金【通常の賃金×時間外労働時間】
+割増賃金【通常の賃金×0.25~0.35×時間外労働時間】
② 通常の賃金=月による賃金額÷月における所定労働時間数
③ 月による賃金額=実際にもらっている金額-(家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)
残業量によっては、100万円~200万円になることもありますので、きちんと計算したいものです。
なお、会社がずっと残業代を支払わずに、裁判を受けたときは、付加金支払を裁判所が命令することがあります。
付加金は、残業代と同額の限度で使用者に支払義務を課す制度です。会社は急いで残業代を支払わないと付加金まで支払わされてしまいます。
さらに、会社は、労働者退職日経過後支払済みまで、年14.6%を乗じた金額を遅延利息として支払う必要があります(賃確法6条1項)。
以上のような制度で会社には残業代の支払いを迫ることができます。
※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。